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AIエージェントの活用例7選、部門・業務別の成果と自社への当てはめ方

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AIエージェントの活用例7選、部門・業務別の成果と自社への当てはめ方

2026.10.7公開
株式会社Laboro.AI編集部

概要

生成AIの業務利用が定着する中で、公表されている活用例では発注業務の所要時間が平均5割減、年間44.8万時間削減といった成果が出ています。それでも「AIエージェントで何ができるのか」を調べ始めると、用途の一覧は出てくるのに、自社の業務に当てはめたイメージを持てないまま終わることがあります。

本記事では、企業が公表している7つのAIエージェント活用例を部門・業務別に示したうえで、任せる範囲による型の違い、成果が続いている例に共通する条件、そして同じ構成が再現しにくい業務までを順に追います。

この記事の要約

  • AIエージェントは目標を受け取り、手順を自ら組み立てて実行する仕組み
  • 公表例は顧客対応から開発まで7つの部門・業務領域に及び、発注業務の所要時間5割減などの成果が出ている
  • 例は自律度で3つに分かれ、多くは人が承認を挟む半自律型で運用されている
  • 成果が続く条件は判断基準の言語化の有無、データの鮮度、権限の絞り込み、1業務からの検証
  • 例外処理が多い業務や誤答の代償が大きい領域では、同じ構成が再現しにくい

目次

・AIエージェントとは
・AIエージェントの部門・業種別活用例
・AIエージェントは自律度で3つに分かれる
・成果が出たAIエージェントの共通点
・AIエージェントの例が再現しにくい業務
・まとめ

AIエージェントとは

AIエージェントは、目標を受け取り、手順を組み立て、ツールを操作するという流れで動くソフトウェアです。生成AIやRPA(Robotic Process Automation)と重なる部分もありますが、判断と実行の両方を自分で担う点が異なります。

観点要点
動き方目標を受け取り、手順を自分で組み立てて実行する
生成AIとの差起点が人の入力ではなく目標。外部ツールの操作まで担う
RPAとの差手順が固定されず、状況を見て組み替えながら進む

AIエージェントは目標から逆算して動く

優秀な部下に「来週の商談に向けて競合の動きをまとめておいて」と頼む場面に近く、どの情報源を当たり、どの順で調べるかをAIエージェントが決めます。 社内データベースの照会、Web検索、資料への書き出しといった作業を、目標に届くまで切り替えながら進めるのが特徴です。情報が足りないと判断すれば、調べ直してから次の工程へ移ります。

【関連記事】

AIエージェントの定義。AIワークフローとの違いも解説

AIエージェントの作り方とは?基本から実践的な活用事例までを徹底解説

AIエージェントと生成AIの差は実行範囲

生成AIとAIエージェントの違いは、動き出す起点と、担当する範囲にあります。生成AIは人が入力するたびに応答を返す仕組みで、1回の生成が終われば処理もそこで止まります。一方のAIエージェントは、目標を受け取った時点から動き、外部システムの操作や結果の確認までを1つの仕事として引き受ける設計です。

AIエージェントとRPAの差は判断の有無

RPAとの違いは、手順が固定されているかどうかにあります。RPAはあらかじめ定義した操作を順番どおりに再現する仕組みで、画面の項目が1つ変わるだけで止まってしまうケースも珍しくありません。AIエージェントは状況を見て手順そのものを組み替えられるため、例外的な入力にも対応しやすくなります。ただし判断が入るということは、判断を誤る可能性も同時に抱え込むことを意味します。

AIエージェントの部門・業種別活用例

実用化が先行しているのは、工程が複数にまたがり、判断の基準を言葉にしやすい業務です。企業が公表している7つの例を部門別に並べます。

部門・業務社名公表されている成果
開発NGK数値計算プログラムの実装で人の負担を3分の1程度に軽減できる見通し
顧客対応(カスタマーサービス)Klarna問い合わせ解決までの時間が11分から2分未満へ
社内業務パナソニックコネクト2024年度に年間44.8万時間の業務時間を削減
営業Salesforce自社の営業担当が5万時間以上の事務作業を削減
経理GamesGlobal規制対応メールの自動化で年430時間を削減
発注・在庫管理イオンリテール発注時間が平均5割減、在庫が平均3割減
採用Adecco Group採用プロセス全体が28%高速化

【開発】NGKは実装の負担を3分の1に

NGKでは、Laboro.AIとの共同検証で大規模な数値計算プログラムの実装をコーディングエージェントに任せ、人の負担を3分の1程度まで軽減できる見通しを得ました。開発ルールと手本になるベースコードを与えたことで誤った解釈を防げており、開発者に残るのは理論・数式の検討と結果の解釈です。

【関連記事】生成AIによる大規模シミュレーションソフトウェア開発(NGK株式会社様)

【カスタマーサービス】Klarnaの顧客対応は11分が2分未満に

Klarnaでは、AIアシスタント導入後、問い合わせの解決時間が11分から2分未満に短縮されました。導入1ヶ月で230万件の会話を処理し、常勤オペレーター700人分に相当するといいます。顧客が希望すれば有人対応を選べる設計は残されており、複雑な案件を人へ引き継ぐ経路の確保は前提です。

【参考】Klarna AI assistant handles two-thirds of customer service chats in its first month | Klarna International

【社内業務】パナソニックコネクトは年44.8万時間削減

パナソニックコネクトは、自社向けAIアシスタント「ConnectAI」の活用で、2024年度に年間44.8万時間の業務時間を削減したと発表しました。「ConnectAI」は国内全社員約11,600人が利用可能で、作業手順書の作成やアンケート分析、コード生成などに使われています。質問して答えを得る使い方から、作業ごと任せる使い方へ移った点が大幅削減に繋がりました。

【参考】パナソニックコネクト、「聞く」から「頼む」へシフトしたAI活用で年間44.8万時間の削減を達成 | 技術・研究開発 | 技術・研究開発 | プレスリリース | Panasonic Newsroom Japan : パナソニック ニュースルーム ジャパン 

【営業】Salesforceは営業事務を5万時間削減

Salesforceでは、自社の営業担当がSalesforceのエージェント型レイヤーであるAgentforceを使い、5万時間以上の作業時間を削減しました。通話記録の自動要約や会話内容の整理など、商談前後の事務作業が対象です。

【参考】How Salesforce Uses Agentforce for Sales – Salesforce

【経理】GamesGlobalは規制報告を年430時間減

Games Globalの財務部門では、規制対応メールの処理を自動化し、年430時間以上の作業を減らしました。同社ではオンコール承認や入社手続き、ベンダー承認、セキュリティ監査などの自動化も合わせ、全社で年22,370時間の削減が報告されています。

【参考】Games Global saves over 22,000 hours per year with Microsoft Power Platform and Copilot Studio | Microsoft Customer Stories

【発注・在庫管理】イオンリテールは発注時間を5割削減

イオンリテールは、需要予測・発注システム「AIオーダー」の導入で、発注時間を平均5割削減しました。実証実験店舗では適用カテゴリの平均在庫金額も平均3割減っています。発注数を提示するのはAIで、確認・微調整と確定は店舗の担当者が担います。

【参考】国内最大規模の需要予測・発注システム「AIオーダー」を開発、380店に導入(イオンリテール公式ニュースリリース/PDF)

【採用】Adecco Groupは採用工程を28%高速化

Adecco Groupでは、採用プロセス全体の所要時間が28%短縮されました。事前スクリーニングや候補者の絞り込み、求人票・面接質問の作成などをAIエージェントが担い、求人キャンペーンの準備時間は93%以上減少。1,400人の採用担当が同じ作業を繰り返す領域のため、短縮幅が積み上がりやすい構造です。

【参考】エージェント型の採用プロセスにより、アデコグループはより迅速な就職を実現しています。|Salesforce 

AIエージェントは自律度で3つに分かれる

人がどこまで関与するかによって、指示応答型、半自律型、自律実行型の3つに整理できます。対象業務のリスクの大きさが、型を選ぶ際の主な軸になります。

型人の関与と向く業務
指示応答型指示ごとに実行。判断の範囲が狭く、最初の一歩に向く
半自律型AIが下書きまで進め、人が承認。ミスの影響が大きい業務向け
自律実行型目標だけ渡して任せる。権限設計と監視の負荷が大きい

指示応答型は実行まで担う

指示応答型は、与えられた指示に対して実務の完了までを担う型です。請求書の作成であれば、データの読み取りから金額の計算、書類の作成、取引先へのメール送信までを一度の指示で処理します。判断の範囲が限られるぶん、想定外の動きも起きにくい構成になっています。ただし、AIが手順を自分で組み立てることは想定されておらず、目標だけを渡して工程の設計から任せる用途には向きません。

半自律型は人が承認を挟む

半自律型は、AIが下書きまで進め、人が最終確認する運用です。営業メールであれば文面の作成までをAIが担当し、送信のボタンを押すのは担当者になります。AIエージェントの部門別活用例の章で挙げた例のうち、発注数の確定を店舗担当者が担うイオンリテールや、NGKのように結果の解釈を人が担うなど、最終確認を人が持つ設計は少なくありません。効果の大きさと事故の起きにくさを両立させたい段階では、有力な選択肢になるでしょう。

自律実行型は目標だけ与える

自律実行型は、目標を渡すだけでタスクの分解から実行までを任せる型で、複数のエージェントが役割を分けて動くマルチエージェント構成もここに入ります。大広の「DDDAI ® Planning」では、複数の専門家人格をAI内部に定義し、意見を交わす設計で企画書の初期案を生成しています。任せる範囲を広げる際は、どのシステムにどこまで触れてよいかをあらかじめ決めておくことが望ましいでしょう。

【関連記事】AIエージェントによる企画書初期案の自動生成(株式会社大広様)

成果が出たAIエージェントの共通点

成果が続いている例には、業務の選び方と運用の設計に共通した条件があります。技術の新しさよりも、着手前の準備が結果を左右します。

条件確認する内容
判断基準誰が見ても同じ結論になる形で書き出されているか
参照データ古いマニュアルや表記の揺れが残っていないか
権限触れるシステムと操作の範囲が業務単位で絞られているか
検証範囲1部署1業務から始め、段階的に広げる計画か
効果測定導入前の作業時間とミスの発生率を記録してあるか

判断基準が明文化されている

成果が出ている業務では、判断の基準が誰でも同じ結論にたどり着く形で書き出されています。NGKの数値計算プログラム開発でも、あらかじめ定めた開発ルールと手本になるベースコードを先に用意したことが、エージェントが誤った解釈をしない条件になりました。基準が担当者の頭の中にしかない業務では、AIが参照できる材料が社内に残っていないことが多くなります。

参照データが最新に保たれる

AIエージェントの出力の正確さは、参照するデータの鮮度に大きく左右されます。古いマニュアルや表記揺れのあるマスタが残っていると、手順そのものは正しく踏んでいても、結論だけが誤ったまま返ってくることがあります。導入前に業務フローとFAQを棚卸ししておく作業は地味ですが、ここを飛ばした状態では精度の議論が空回りしやすくなります。

AIエージェントの権限を業務単位で絞る

AIエージェントに与える権限は、担当させる業務の範囲に絞り込んでおきたいところです。参照だけか、更新まで許すか、外部への送信を含めるかを業務ごとに決めておくと、想定外の操作が起きたときの影響範囲も限定されます。

1部署1業務で検証し導入前の数値と比べる 

導入は、1つの部署の1業務に絞って検証するところから始めるのが現実的です。全社展開を前提にすると要件定義が膨らみ、着手前で止まってしまうケースも少なくありません。効果を判断するうえでは、導入前の作業時間とミスの発生率を記録しておくとよいでしょう。ただし削減時間だけを追うと、人が確認に費やす時間が抜け落ちるため、修正率や再問い合わせの件数まで含めて見ると効果の見え方が変わります。

AIエージェントの例が再現しにくい業務

ここまでの例は、条件がそろった業務で得られた結果です。同じ仕組みを当てはめても成果が出にくい領域も存在します。

当てはまりにくい業務理由
例外処理が多い業務分岐のたびに人が介在し、自動化の範囲が広がらない
判断が属人化した業務AIが参照できる基準が社内に残っていない
誤答の代償が大きい領域出力の検証にかかる時間が削減時間を上回る

例外処理が多い業務

例外処理の割合が高い業務では、自動化できる範囲が想定より狭くなります。手続きの8割を任せられても、残り2割の判断のたびに人が呼ばれる状態では、担当者がその業務から離れにくくなります。件数の多さではなく、同じ手順で処理できる割合のほうが、適性を分ける目安です。

判断が属人化した業務

判断の根拠が個人の経験にしか残っていない業務は、AIエージェントに渡す前段で行き詰まりやすくなります。ベテランが違和感に気づける領域ほど、その感覚を支える情報が文書化されていないケースが多く見られます。まずは判断の言語化から取りかかるため、着手までの時間は長めに見込むことになります。

誤答が損失に直結する領域

出力の誤りが直接損失につながる領域では、検証にかかる時間が削減効果を上回ることがあります。法務や財務の判断、医療に関わる説明などは、1件の誤りが取り返しのつかない結果を招きかねません。生成AIにはハルシネーション(事実と異なる内容を生成する現象) の特性が残るため、この領域ではAIを下調べに限定し、結論は人が出す構成に落ち着くケースが多いです。

まとめ

AIエージェントの例は、業務の種類ではなく、任せられる判断の範囲で分かれます。顧客対応や発注のように基準を言語化できる業務では、11分が2分未満になる、発注時間が半減するといった数字が実際に出ています。一方で、例外処理が多い業務や誤答の代償が大きい領域では、同じ構成が成立しにくくなります。

難しいのは、どの例が自社の業務と同じ構造なのかを見極める部分です。公開されている事例は成果の数字が中心で、前提にある業務設計やデータの状態まで示されていないことが多いため、自社に合わせて読み替える作業が必要になります。

Laboro.AIは、企業ごとに異なる業務要件に合わせたオーダーメイドの「カスタムAI」開発に取り組んできました。AIエージェント・生成AIの領域では、ビジネス構想やソリューション設計から開発、さらにAIエージェントの活用を前提とした業務プロセスの再構築までをワンストップで支援する体制を備えています。自社のどの業務から着手するかという入口の議論から、相談を受け付けています。

【参考】Laboro.AIのカスタムAI開発サービス

執筆者

Laboro.AI編集部

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